日本酒利き酒用語集

日本酒の利き酒に使われる表現について、以下、ざっと簡単にご説明しておきます。
※引用:「日本酒」『ウィキペディア日本語版』より
(2012年4月30日取得 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E9%85%92

製造・商品に関する用語

杜氏(とうじ、とじ)

醸造工程を行う職人集団の監督者、酒蔵の最高製造責任者のこと。複数の銘柄を有する蔵元では複数の杜氏がいることもある。

銘柄

同じ名前を冠する商品全体のブランド名のこと。地域や蔵元によって商品名との垣根は曖昧で、一つの蔵元で十数銘柄以上有する場合もある。

精米歩合

玄米を白米に精米する際に、玄米の重量に対して残った白米の重さの割合(%)。精米歩合の値が低ければ低いほど「磨かれた米」といわれる。

普通酒

三等米以上の白米を用い、白米の重量に対する米麹の使用割合が15%以上の清酒を「特定名称酒」と言い(以下の「本醸造酒」「純米酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」)、普通酒はそれ以外の清酒を指す。白米、米麹(こめこうじ)以外にも、醸造アルコール、糖類、酸味料、うま味調味料、酒粕(さけかす)などの副原料を加えて造ることが、副原料の重量が米・米麹の重量を超えない範囲という条件つきで認められている。三倍増醸清酒、またはそれをブレンドした酒も普通酒に含まれる。

本醸造酒

精米歩合70%以下の白米、米麹および水と醸造アルコールで造った清酒で、香味及び色沢が良好なもの。使用する白米1トンにつき120リットル(重量比でおよそ1/10)以下のアルコール添加(アル添)をしてよいことになっている。そのままではアルコール度数が高いので水で割ってあることが多い(割水)。そのため、旨味や甘味にとぼしく、一般的に味は軽くなり、すっきりしたものとなる。

純米酒

白米、米麹および水だけを原料として製造した清酒で、香味及び色沢が良好なもの。ただし、その「白米」は、3等以上に格付けた玄米又はこれに相当する玄米を使用し、さらに「米麹」の総重量は、白米の総重量に対して15%以上必要である。一般に吟醸酒や本醸造に比べて濃厚な味わいであり、蔵ごとの個性が強いといわれる。

吟醸酒・純米吟醸酒

精米歩合60%以下の白米、吟醸米麹および水を原料とし、吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なもの。低温で長時間かけて発酵させて造る。吟醸香と呼ばれる、リンゴやバナナ、メロンを思わせる華やかな香気成分を特徴とする。最後に吟醸香を引き出すために使用する白米1トンにつき120リットル(重量比でおよそ1/10)以下の醸造アルコールを添加する。吟醸酒のうち、醸造用アルコールを添加していないものをとくに純米吟醸酒という。一般に、他の吟醸酒に比べて穏やかな香り(控えめな香り)となる。

大吟醸酒・純米大吟醸酒

大吟醸酒は最高の酒米と工程を要するため日本酒の最高峰と言われる。精米歩合50%以下の白米、米麹および水を原料とし、吟味して製造した清酒で、吟醸酒よりさらに徹底して低温長期発酵する。固有の香味及び色沢がとくに良好なもの。最後に吟醸香を引き出すために少量の醸造アルコールを添加する場合もある。フルーティで華やかな香りと、淡くサラリとした味わいの物が多いが、あさ開きのようにズッシリとした物もあり、酒蔵の個性が大きく反映される。大吟醸酒のうち、精米歩合50%以下の白米、米麹及び水のみを原料とするものを純米大吟醸酒という。一般に、他の大吟醸酒に比べて、穏やかな香りで味わい深いとなる。

原酒

上漕後、割水もしくは加水調整(アルコール分1%未満の範囲内の加水調整を除く)をしない清酒。

生酒

製成後、加熱処理もしくは火入れを一度もしない清酒。冷蔵保存する必要がある。

生貯蔵酒

製成後、火入れをしないで貯蔵し、製造場から移出する際に火入れした清酒。

生一本

単一の製造場のみで醸造した純米酒。

樽酒

木製の樽で貯蔵し、木香のついた清酒(瓶その他の容器に詰め替えたものを含む)。

生詰酒

製成後、火入れをしてから貯蔵し、製造場から移出する際には火入れを行わない清酒

ひやおろし

冬季に醸造した後に春・夏の間涼しい酒蔵で貯蔵・熟成させ、気温の下がる秋に瓶詰めし出荷された清酒。

荒走り(あらばしり)

醪(もろみ)を搾るとき(上槽時)に、最初にほとばしるように出てくる部分の酒のこと。圧力を加えないで、最初に積まれた酒袋の重みだけで自然に出てくるもの。一般に固形分である滓(おり)が多く、アルコール度は比較的に低めで、香りも高く切れ味が良い。

中取り(なかどり)・中汲み(なかぐみ)・中垂れ(なかだれ)

上槽時、荒走りの次に、中間層として出てくる部分。アルコール度や味は、ほどほどの中間点。味と香りのバランスが最も良い、あるいは荒走りより練られた味だ、とも評される。

責め(せめ)・押し切り(おしきり)

上槽時、最後に出てくる部分。とくに槽搾りにおいて、圧搾して出てきた部分。アルコール度は高く、かなり練られた濃い味。

袋吊り・袋しぼり・雫しぼり・首吊り

上槽時、もろみを袋に詰め、袋を吊り下げてそこから垂れてくる酒をとる方法。出品酒などの高級酒に多く用いられる。

斗瓶取り・斗瓶囲い

上槽時、出てきた酒を斗瓶(18リットル瓶)単位に分け、そこから良いものを選ぶ方法。出品酒等の高級酒に多く用いられる。

無濾過

活性炭濾過による香味調整をしない酒。

にごり酒・おりがらみ

にごり酒は、上槽の際に粗い目の布などで濾して、意図的に滓を残したもの。火入れをしない場合は瓶内部で発酵が持続し、発泡性のものになる。おりがらみは、滓下げをしないままのもの。どちらも、滓に含まれているや旨み、醪独特の濃厚な香りや味わいを楽しむために造られる。

山廃仕込み

もろみをすりつぶさないで仕込む方法。発酵完了まで時間がかかる分、複雑な味わいになることが多い。

日本酒度

清酒の比重を示す単位。日本酒度が高い(+の値が大きい)ほど辛口になる傾向があり、味の目安としてラベルに表示されることが多い。

酸度

この値が大きければ「さっぱり」、小さければ「こくがある」といった表現が使われる。

甘辛度

清酒のブドウ糖濃度と酸度から求められる清酒の甘辛の度合いを示す値。

濃淡度

清酒の味の濃淡の度合いを示す値。清酒のブドウ糖濃度と酸度から計算される。濃淡度がプラスになるほど味が濃い。

アミノ酸度

アミノ酸度が高いほど旨味のある濃い味となるが、高すぎると鈍重な味となる。

お酒の評価に関する用語・表現

端麗/淡麗(たんれい)

口に含んだときに、きれいで滑らかな感じを受けたときに用いる表現。

芳醇/豊醇(ほうじゅん)

香りが高く味がよいこと。

濃醇(のうじゅん)

味が濃いこと。「淡麗」の対極。

ピン

後味が引き締まった感じ。

キレ/サバケ

後味がすっきりして軽快な様子。

荒い

口に含んだときに、口中に刺激を受ける状態を指す。よく言えば元気のある若々しい味、わるく言えば熟成感に欠ける味。

荒い

口に含んだときに、口中に刺激を受ける状態を指す。よく言えば元気のある若々しい味、わるく言えば熟成感に欠ける味。

吟味(ぎんあじ)

長い時間をかけて低温熟成した酒に生まれる、あっさりとした旨みを指す。

ふくらみ

口中に広がる、バランスの良いしっかりとしたコクのある味を指す。

ゴク味

酒の五味がほどよく調和して、バランスの良いコクが感じられる状態。

収斂味(しゅうれんみ)

酒がまだ若いときに感じられる、思わず口をすぼめたくなるような渋みのこと。

押し味

酒を利いたあとの後味にふくらみがあり、安定して余韻を響かせているような味。

コシ

押し味があって、安定した味わい残すときに「コシがある」「コシが強い」といい、反対に後味がぼけた感じがするときは「コシがない」「コシが弱い」という。

どっしり

ふくらみとコシのある、容易に燗くずれのしない、丹念な造りの味に用いられる表現。

しっかり

安定感とコシのある、容易に燗くずれのしない、丹念な造りの味に用いられる表現。

味/香りが開く

花が開くように、人肌燗・ぬる燗あたりまで温めたとき味・香りが開くように感じるさま。

冴え(さえ)

美しく透き通った光沢。とくに、やや青みがかって見える状態を青冴え(あおざえ)といい、高く評価される。

照り(てり)

うっすら山吹色に艶の出た状態。

ぼけ

少々混濁して、色彩がぼやけていること。

黄金色(こがねいろ)

照りの中でも最も好まれる色調。

番茶色(ばんちゃいろ)

古酒などに多い、やや濃く熟成した色調。

色沢良好(しきたくりょうこう)

鑑評会などで語られる、色合いが好ましいさまを語る定番の表現。

色沢濃厚(しきたくのうこう)

かなり色がついている状態。

混濁

いろいろな色調に濁っていること。


これ以外にも、順次追加して参ります。

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